2024 12.29 sun., 12.30 mon., 12.31 tue., 2025 1.2 thu., 1.3 fri.
BOB JAMES QUARTET
artist BOB JAMES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ブルーノート東京、今回のカウントダウン/ニューイヤー公演を飾るのは巨匠ボブ・ジェームス率いるカルテットです。ボブは1960年代初頭にクインシー・ジョーンズに認められて以来、ピアニスト/作編曲家/プロデューサーとして第一線に立ち続け、90年代以降はオールスター・ユニット"フォープレイ"の中心人物としてファン層を広げるとともに、数々のサンプリング・ソースを生んだ"リヴィング・レジェンド"的クリエイターとしても脚光を浴びてきました。そんな彼が現在、最も力を入れている活動のひとつが、次世代ミュージシャンとの演奏です。今回の公演は、マイケル・パラッツォーロ(アコースティック&エレクトリック・ベース)、ジェームズ・アドキンス(ドラムス)、初来日となるウクライナ出身のサックス奏者(テナー、アルト、ソプラノを持ち替えます)アンドレイ・シュムットとのステージ。豊富なキャリアを誇るボブが持つ深みと、若手たちの勢いが絶妙にブレンドされて、時にスリリングに、時にファンキーに、時にポップに音楽の快感を届けてくれます。
私が足を運んだ初日ファースト・セットは、"ベスト・オブ・ボブ・ジェームス ナウ・アンド・ゼン"と呼びたくなるようなセットリストでした。1970年代、まだフュージョン・ミュージックという言葉が広まる前に、いわば時代を先取りする形で発表された「Westchester Lady」「Night Crawler」などの古典があるかと思えば、フォープレイの人気曲であった「Avalabop」もあり、最新ソロ・アルバム『Jazz Hands』からも「The Secret Drawer」等をしっかりと聴かせるばかりではなく、ボブ自身が"ぜひ、この才能を日本のファンに紹介したかった"と力をこめるアンドレイのオリジナル曲「Moving Forward」までもが、目の前で次々とプレイされました。1974年のアルバム『One』ではエレクトリック・ピアノで演奏されていたロバータ・フラックのヒット曲「Feel Like Making Love」が、アコースティック・ピアノの凛とした音色でリメイクされ、個人的にはバラードの小品というイメージがあった「Angela」も途中、シャッフル・リズムでグルーヴする箇所がごく自然に現れたり、自在にテンポが変わるなど、まるで組曲のような展開になっていました。今なお、現在進行形のマインドで名曲に推敲を重ねている------といえばいいでしょうか。
ブルーノート東京でのボブ・ジェームス・カルテット公演は本日、30日、31日(セカンド・ショウではカウントダウンあり)、1月2日、3日と行われ、1月4日にはボブが単独でBLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA と共演。5日に開催される高崎芸術劇場 / 大劇場での公演ではカルテット公演、BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRAとの共演の両方が披露されます。また、カルテットは8日に大阪サンケイホールブリーゼ、10日にZepp Sapporoでも公演します。85歳を迎えてもなお、勢いのやむことがないボブ・ジェームスと、"さすがボブが起用しただけはある"と唸らされること必至の気鋭たちが織りなす、白熱のソロ・プレイや息の合ったアンサンブルを、ぜひライヴでお楽しみください!
(原田 2024 12.30)
Photo by Tsuneo Koga
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【LIVE INFORMATION】
▶︎BOB JAMES QUARTET
2024 12.29 sun., 12.30 mon., 12.31 tue., 2025 1.2 thu., 1.3 fri. ブルーノート東京
2025 1.8 wed. 大阪サンケイホールブリーゼ
2025 1.10 fri. Zepp Sapporo
▶︎BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA with special guest BOB JAMES
2025 1.4 sat. ブルーノート東京
▶︎BOB JAMES 85th Anniversary Special Concert with BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO
2025 1.5 sun. 高崎芸術劇場 / 大劇場
coming soon